数字の10
>『十角館の殺人』(じゅっかくかんのさつじん)は、推理作家・綾辻行人のデビュー作品である長編推理小説。1987年に出版され、「館シリーズ」の第1作となる。日本のミステリー界に大きな影響を与え、新本格ブームを巻き起こしたとされる。この小説の登場を期に、本格ミステリ界では「綾辻以降」という言葉が使われるようになった。累計発行部数は、100万部を突破している。
※Wikipediaより抜粋
ミステリ小説のオススメを探すと必ずと言って良いほど目にする作品である。
有名作は一通り読んでおこうと思い手にしてみた
今回はネタバレを含むので、未読の方はご注意願いたい。
閉ざされた環境で次々と殺人が起こるミステリでは定番のパターン「クローズド・サークル」もの
過去に殺人事件のあった曰く付きの島に、推理研究会のメンバーが訪れ事件が起こるといった流れで話は進む
推理研究会との事で、登場人物がミステリに関連したニックネームでお互いを呼び合うあたり
ミステリ好きはニヤリとなる部分かも知れない。
かも知れないというのも、最近ミステリにハマっているとは言え、まだまだ過去の名作など追いついていないので個人的にはあまりピンとは来なかった。聞いたことはあるけど…程度
↓トリックに関するネタバレ含む↓
一緒に行っている(とメンバーは思っている)
中の1人が実は…というものなのだが
当初からアノ友人(犯人)は存在価値に疑問があり、怪しむに相当する人物ではあるが
作中の人物は、しきりに外部犯の説を検証しようと躍起になっており
その情報は、当然読者にも見て取れるわけで
後半も後半、秘密の部屋などという無用にも思える存在を使ってまで読者の目を眩ませる事に終始しているあたりが、どうもスッキリしない形に思えた。
もう少し登場人物達に内部犯行を怪しませても良かったのでは無いだろうか、外部に目を向けさせようとし過ぎだと感じてしまった
さらに、犯人の動機も今一弱い
幾ら何でも大量殺人を犯すには動機としてどうなのか
恋人の命を奪われたと感じるのは無理はないが、それでも事故性(こんな言葉があるのか知らないが)はあった訳で
完全に事故では無い、例えば強姦された挙句致死なんて酷い話が、なんの因果か無罪放免さた、そんな奴らは許せんなんて話ならまだ同情も納得もできるのだが。
その辺からも、まだ親の愛情(複雑な事情アリ)の線が、よっぽどあり得ると考えられるあたり脇が甘いと言うか。
また、それも外部に目を向けさせようとする強引な手立ての一つだとしたら、それはそれでどうかと思う。
今作は
「期待したほどじゃ無かったな」
というのが、素直な感想。
もしかしたら、過去の名作などに詳しいとより楽しく読めたのかもしれない。その辺は読者である私の力量不足であった。
個人的評価は決して高くなかった今作だが
とは言えまだデビュー作との事なので、続きの作品はブックオフで見かけたら買おうと思う。
前回のブログに書いた「0の殺人」でも
実は名前の出ていた有名作
ミステリの女王と呼ばれたアガサ・クリスティ
今回紹介した「十角館の殺人」は「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品と言われている
順番としては逆になってしまったが次に読むミステリは「そして誰もいなくなった」にする
というか、したのだ。
今書いてる時点で既に読了、そちらの話はまた次の機会