Piyochiのブログ

ゲームと漫画とミステリの話をしようと思う。

そして誰もいなくなった

そして誰もいなくなった

アガサ・クリスティー

 

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

アガサ・クリスティーと言えば、ミステリの女王と呼ばれる程、ミステリ界にその名を知らぬ者は居ないだろう超有名作家。

ミステリ作品を読むにあたって避けては通れない道である

"道"として後世の作品に多大な影響を及ぼしたのは言うまでもない。

 

今作はそんなアガサが書いた有名作

そして誰もいなくなった

前回の記事で書いた十角館の元ネタとも言える作品である。

十角館が期待ほどで無かったせいか、それ程迄には期待はしていなかったが

とは言え「あのアガサ・クリスティー作品」ともなれば背筋も伸びようというもの

 

「比べるのは失礼」という感想が出るのも頷ける程、とても良作でした。

 

 

外国人の名前と言うのは、今ひとつピンと来ないモノで、慣れ親しんだ日本名よりも難しい部分はあったが、それも気になる程では無く

あっという間に事件が起こり、世界観に飲み込まれていくのだ。

内容は、所謂クローズドサークル物で、其々の登場人物がとある人物に呼び出された島で事件が起こる

各々の過去の過ちを断罪するかのごとく

殺されていく

そして誰もいなくなった

果たして犯人は誰なのか?

 

そんなお話

 

 

お手本のようで目新しくもある結末

世界的にも話題になったのも頷ける作りに

これが女王の実力なのだなと感心させられる。

 

 

島を買い取るほどのお金持ちの知り合いはいないし、招待される事も無いだろうが

無職の僕に仕事紹介と言って島に誘われるかもしれないので、その時は過去の過ちを責められることが無いように清く正しく美しい無職で在りたいと思う。

それが事件に巻き込まれないコツだ。

数字の10

十角館の殺人

綾辻行人

 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 

>『十角館の殺人』(じゅっかくかんのさつじん)は、推理作家・綾辻行人のデビュー作品である長編推理小説。1987年に出版され、「館シリーズ」の第1作となる。日本のミステリー界に大きな影響を与え、新本格ブームを巻き起こしたとされる。この小説の登場を期に、本格ミステリ界では「綾辻以降」という言葉が使われるようになった。累計発行部数は、100万部を突破している。 

Wikipediaより抜粋

 

ミステリ小説のオススメを探すと必ずと言って良いほど目にする作品である。

有名作は一通り読んでおこうと思い手にしてみた

今回はネタバレを含むので、未読の方はご注意願いたい。

 

閉ざされた環境で次々と殺人が起こるミステリでは定番のパターン「クローズド・サークル」もの

過去に殺人事件のあった曰く付きの島に、推理研究会のメンバーが訪れ事件が起こるといった流れで話は進む

理研究会との事で、登場人物がミステリに関連したニックネームでお互いを呼び合うあたり

ミステリ好きはニヤリとなる部分かも知れない。

かも知れないというのも、最近ミステリにハマっているとは言え、まだまだ過去の名作など追いついていないので個人的にはあまりピンとは来なかった。聞いたことはあるけど…程度

 

↓トリックに関するネタバレ含む↓

一緒に行っている(とメンバーは思っている)

中の1人が実は…というものなのだが

当初からアノ友人(犯人)は存在価値に疑問があり、怪しむに相当する人物ではあるが

作中の人物は、しきりに外部犯の説を検証しようと躍起になっており

その情報は、当然読者にも見て取れるわけで

後半も後半、秘密の部屋などという無用にも思える存在を使ってまで読者の目を眩ませる事に終始しているあたりが、どうもスッキリしない形に思えた。

もう少し登場人物達に内部犯行を怪しませても良かったのでは無いだろうか、外部に目を向けさせようとし過ぎだと感じてしまった

 

さらに、犯人の動機も今一弱い

幾ら何でも大量殺人を犯すには動機としてどうなのか

恋人の命を奪われたと感じるのは無理はないが、それでも事故性(こんな言葉があるのか知らないが)はあった訳で

完全に事故では無い、例えば強姦された挙句致死なんて酷い話が、なんの因果か無罪放免さた、そんな奴らは許せんなんて話ならまだ同情も納得もできるのだが。

その辺からも、まだ親の愛情(複雑な事情アリ)の線が、よっぽどあり得ると考えられるあたり脇が甘いと言うか。

また、それも外部に目を向けさせようとする強引な手立ての一つだとしたら、それはそれでどうかと思う。

 

今作は

「期待したほどじゃ無かったな」

というのが、素直な感想。

もしかしたら、過去の名作などに詳しいとより楽しく読めたのかもしれない。その辺は読者である私の力量不足であった。

個人的評価は決して高くなかった今作だが

とは言えまだデビュー作との事なので、続きの作品はブックオフで見かけたら買おうと思う。

 

 

前回のブログに書いた「0の殺人」でも

実は名前の出ていた有名作

ミステリの女王と呼ばれたアガサ・クリスティ

そして誰もいなくなった

今回紹介した「十角館の殺人」は「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品と言われている

順番としては逆になってしまったが次に読むミステリは「そして誰もいなくなった」にする

というか、したのだ。

今書いてる時点で既に読了、そちらの話はまた次の機会

数字の0

0の殺人

我孫子武丸

 

0の殺人 (講談社文庫)

0の殺人 (講談社文庫)

 

 

0 零 ゼロ

何も無い事を表す記号

 

今作は、以前ブログにも書いた

殺戮にいたる病の著者でもある、我孫子武丸氏の作品

刊行順としては、今作が古く

デビュー作である8の殺人の次、速水三兄妹シリーズ2作目となる。

ボリュームはとてもあっさりしていて

活字慣れしていない人でも読みやすいだろう

 

過去に迷宮入りした事件を速水三兄妹が

改めて考察して解き明かしていくと言った内容だ。

資産家とその血族、1人、また1人と犠牲者が増えていく、果たしてこの事件の犯人は

 

設定はシンプルな反面、トリックは想定外!?

いや、まさか…という思いを抱えながら読み進めていくと、そのまさかの結末

読後に改めて題名の意味に気づき、なるほどなぁと納得がいく

恐らくそここそが、この作品の目的とも言える部分かも知れない

そんな作品でした。

 

以前(恐らく20年近く前)に8の殺人は読んだ記憶があったので、その次作0の殺人を選んでみました。

シリーズとしてメビウスの殺人というのがあるそうなので、次に読む我孫子武丸作品はそちらにしようかな。

夜は短し

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

 

映像化もされている今作。

声に出して読みたい、大変に小気味良く響く

その題名に惹かれ手に取ってみた

「ゴンドラの唄」という大正時代の歌謡曲

その冒頭からとったものらしい。

 

アニメ有頂天家族は視聴済みだが

森見登美彦作品の小説は初めて読ませて頂いた

 

有頂天家族でもそうであったが、京都が舞台

今作は、大学生の主人公が愛しのあの子を追いかけ追い越せ、彼女の気を惹こうとあの手この手の作戦を立てるが…

奇想天外で不思議な京都の住人達との交流と恋の行く末は。

 

奇妙で奇抜な住人達が突出していて

可笑しな世界観を表現しているのだが

上質な落語を聴いている様な軽妙な語り口が

テンポ良く読ませてくれる

一つ一つの表現が古めかしく奥ゆかしい

古典文学や現代詩からの引用が多いらしく

その辺りが、落語の様な雰囲気を作っているのであろうか

ことごとく映像映えしそうな場面が多く

森見登美彦作品の多くが映像化されているのも

納得の表現である。

 

とても不思議で幻想的で

とても京都に行きたくなる

とてもとても京都に行きたくなる

面白い作品でした。

映像作品の方も是非鑑賞してみようと思う

 

森見登美彦作品、次は四畳半神話大系を買ってあるのでこれを読んでいこう。

 

 

はぁ…京都行きたい

目的は「安楽死」

とあるウェブサイトを見て、廃病院に集まった十二人の子どもたち

その目的は「安楽死」をする事。

全員一致で実行される

はずだった…

 

 

廃病院の地下に十二のベッド

しかし、そこには十三人目の少年が横たわる

この少年は一体何者なのか?

十二人は議論を重ねていく

子どもたちは如何なる"選択"をするのか

 

十二人の死にたい子どもたち

冲方丁

 

十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたち

 

 

書店で、ふと見かけて

題名に惹かれ買ってみた小説

1日と経たずしてペロリと読了。

映画化や漫画化もされている様だ。

 

冲方丁作品は、初めて読ませて頂いたが

個人的には、とても素直に入り込めた作品でした。

彼、彼女らが、如何に「安楽死」を"選択"したのか

それぞれの理由が語られていく中には

かなり突飛というか、常人には理解しがたいものもあるが

安楽死」を求めるまでに至る心情…

十三人目の少年の謎…

最終的な結果については、十分予想はついたが

誰がその役割を担っているのか

一体誰が嘘をついているのか

テンポ良く話が進んでいくので一気読み推奨である。

題材が題材だけに、少し重たい話ではあるのだ

何せ子どもが安楽死とは尋常ではない。

 

ネタバレは避けるが、読後気分が落ち込む様な作品でもないので、そこは安心して楽しめるだろう。

 

 

 

 小説と言えば、変わらずミステリ漬けの日々

次はどんな謎を楽しむか

贅沢で"小さな選択"が、今日もボクを悩ませる

 

"大きな選択"をする、その日まで。

変化の話

へんか
【変化】
 
《名・ス自》ある状態・位置から、他の状態・位置に変わること。
 「―に富む」

by Google

 

週に1本くらいは書いていこうと思っていたのも、とうに破られ

忙しいのかと言われれば、何一つ忙しくもなく

変化があったのかと言われれば、何一つ変化の無い日常を暮らしている

何をしているのかと言われれば、特に何もしていない

そんな事があるのかと言われれば、あるとしか言えない

 

何もしていないと言っても、生きている

息を吸うし吐きもする

ご飯は食べるし排泄もする

眠りもすれば起きもする

死んで無いので生きている

 

やらなければいけない事だけが積もり続けて

山になる、とても高い山

山の高さに眼が眩む

登るには足りないモノが多過ぎる

知力、体力、時の運

友情、努力、勝利

足りないモノが多過ぎる

山なら登らない選択もあるだろうが

その選択肢は出てこない

 

何を持っているんだろうか

何を持っていないんだろうか

何も持っていないんだろうな

 

成功体験が、圧倒的に少ないせいだろうか

何かをしようと思っても、上手くいくイメージが湧くことはない。

 

「諦めるのが早すぎる」

 

何事も諦めずに頑張れる人は尊敬する

どうしてそんなに頑張れるんだろう

 

「失敗が怖い?」

 

怖いね

成功するとは思えない

 

「やって見なければ分からないよ」

 

上手くいってる人はそう言うんだ

 

「やれば出来るよ」

 

ボクに出来る事はやってきたつもりだ

やったけど出来ただろうか

出来ていないからやっていないんだろうか

 

人一倍頑張れない、昔から変わらないんだ

いつだって投げ出してきた、逃げ出してきた

ダメな奴だ

 

自分から動く事が出来ない

その癖、生意気なことばかり言う

迷惑ばかりかけてしまう

これ以上迷惑をかけたく無い

そればかり考えてしまう

何かすれば迷惑になってしまうかも知れない

 

消えてしまいたい、と口にする事はない

ネガティブな事は口にはしない

イヤな気持ちになるだけだ

言葉は刃になる、時に他人も自分も傷つける

 

この文章は誰かを傷つけるだろうか

癒す事は無いだろうな

世の中には自分より下をみて安心するという事もあるので中には居るかも知れないな

癒されてくれたら、それは嬉しい事だが

難しいだろうな

 

 

過去の話

友人に一緒に行こうと、誘われた高校に推薦入学するも、友人は推薦落ち他の高校へ行ってしまう

そんな事になるなら、中学の友達も多くいる地元の高校にいっておけば良かったと後悔するも

結局、自分の将来を勝手に悲観し勝手に辞める

しばらくフラフラした後に働き始めたガソリンスタンド

とても厳しい所長だったが、高校中退で働き始めたボクに目をかけてくれていたと思う。

某大手企業に一部吸収されるさい

優秀な社員を引き抜きそちらへ

残念ながらボクに声をかけてくれる事は無かった。

 

その後、新しく所長になった人が薬物依存(後に判明)、終いには店の売上数百万を持ち逃げ、会社は不渡りを出し倒産へ

お金の管理は所長の仕事にも関わらず

社員として働いていたボクに責任があるかのような物言いをする本社の人間

その後、親がヤクザだとか言う触れ込みの新しい所長に、お前のせいだと言わんばかりのパワハラを散々受ける

それまで仲良いと思ってたバイト仲間も

気づけばボクの周りには誰も居なかった

最初から居なかったのかも知れない

仲が良いと言うのは気のせいだったんだろう

 

その日、出社がギリギリになってしまい、開店を待つお客がいた為朝の準備を先にしなければと、タイムカードを仲の悪いバイトにお願いしたせいだろう、わざと時間が過ぎてから押されてしまったのだった。自業自得と言わざるを得ない。

 

最終的には1分の遅刻で自主退職を強制

人生で初めて辞表を書く経験をする

こんな理不尽な会社員など二度となるまい

そう誓った。

 

居場所を失ったボクは心に大きな傷を負い

しばらく引き篭もる事になるのだった

 

ここまでが十代の頃の思い出の一部。

 

勝手に信頼して、勝手に裏切られたと感じ

勝手に落ち込み、勝手に引き篭もる

なんて自分勝手なヤツなんだろう。

ミステリの話

ミステリ小説にハマりつつある

 

最近の活字欲の発端でもあるミステリ

森博嗣 先生によるS&Mシリーズ 第一作目

 

すべてがFになる The Perfect insider

 

ドラマ化アニメ化などもされているので

小説は読んでいなくとも知っている方も多いだろう。

 

メフィスト賞 第一回受賞作品でもある

理系ミステリと呼ばれ、建築学の大学助教授の犀川と学生の萌絵2人が事件に出会い、時に巻き込まれ(萌絵自ら首を突っ込み)解決すると言ったお話

 

 

すべてがFになるを読了し

すっかり森博嗣作品に魅了された私は

現在では、S&Mシリーズ10作を読み終え、Vシリーズの4作目まで読み進めている最中なのだが

実はVシリーズに進む前、S&Mシリーズの終わり

犀川と萌絵、あの2人にはもう会えない、彼等の物語がもう読めないのか

そう思うと寂しさと喪失感で一杯になっていて

次作品Vシリーズを読むつもりはあまり無かった。

 

そんな中

四季 The Four Seasons 「春」「夏」「秋」「冬」

これら4作が題名の通り"真賀田四季"に関する話という事を知り

刊行順では無いのだが、S&Mシリーズの後、四季シリーズ、後にVシリーズ

と、少し変則的な読み方をしてしまっている。

 

四季を先に読んでしまった事でVシリーズの

一部ネタバレの様なものを知った状態になってしまっている。

なぜそうなってしまったかと言うと

当初、S&MシリーズとVシリーズは全く別の話だと思っていた。

しかし、無関係でもないというか、むしろ繋がっている話である事が、恐らくVシリーズを読み進めていく事で知るのだが、先に四季を読んでしまったので、その辺の関係を知ってしまったのだ。

しかしそれを知った事がVシリーズを読む新たな動機になってたりもする。

 

因みに、その後も関連性のあるシリーズは続いている様なので、まだまだ楽しめそうで安心である。

 

現在は、森博嗣作品以外にもミステリ有名作や評価の高いものから選び何冊か積んでいるので

暫くミステリ不足になる事は無さそうだ。