にっきと読書感想文
随分と時間が経ってしまったようだ
あれからどれだけの月日が流れていったのだろうか
振り返ってみれば、ブログを始めてもう半年以上が過ぎていた
当初はもっと早いペースで更新を目標にはじめたわけだが、そんな目標もいつのまにか忘れ
毎日雨ばかりの日々に辟易し
気づけば憎っくき太陽光が、寂しくなりつつある頭頂部から、隠しておきたい心の闇まで
ギンギンに照らし出す季節が訪れ
その光から身を隠す、吸血鬼の様な生活を送りながら、ただ何となくダラダラと。
読んだ小説の話やラジオ、漫画の話もしただろうか
文書を書く練習として
細々とつらつらと、気の向くままにフラフラと休み休みに訥々と
これからも変わらないペースで更新していこうかと考えている。
そして、最近読んだものと言えば
私には珍しく恋愛物
過去に映画にもなっているようで、当時かなり話題になっていた様な記憶がある。
なにやらドンデン返しがあるとの事で
私の人差し指がピクリと動いたのだ
三度の飯とドンデン返しが大好きで
甘いものも好きだし、炭酸飲料も大好きで
そんな食生活を続けていたもので、でっぷりと肥満体になってしまった、不健康代表の様な私
そんな食生活改善の必要性とは何も関係がないが
文量も軽めな様なので、アッサリとサッパリと読めるかと手にとってみた次第である。
しっかりと青春恋愛物の味がする
それは終わりの終わりまで恋愛を描いている
甘いエピソードだけでは無く、恋の終わりと始まり。甘くてほろ苦い青春の味…だけでは終わらない、後からくる隠し味のピリリとした刺激
※以下ネタバレを含む※
ドンデン返しがある事が初めから予告されているので、当然ドンデンは返る、気づかぬ内に
まるでカセットテープのA面とB面のように裏返る。
その手法は、小説ならでは、むしろ小説だから成立するもの。
いや、成立しているのだろうか….?
正直、若干納得出来ない部分も無くはない
完全なネタバレだが
本作は
鈴木Aさんと鈴木Bさんという、全くの別人を
「鈴木さん」として登場させるといった具合の仕掛けだ
当然これは文字だけしか情報の無い小説だから
区別がつかないのだが
登場人物としてビジュアルがあれば
普通は取り違える事はまず無いはずだ
双子ちゃんなら兎も角
しかしこの作品、上でも書いたが、なんと映像化されているとの事
まだ映画の方は未見なので、一体この仕掛けが
どの様に表現されているのか?
松田翔太さんが件のAさんとBさんを兼ねるらしいが、同一人物が演じてしまったら、また別の問題が出るんじゃないのだろうか?
一人二役というのは無くも無い話だが…
因みにカセットテープの表現は、今作中に出るもので根幹に関わる。
私の幼少時の微かな記憶では、カセットテープはA面の終わりが、B面の始まりだった様な気する、A面を再生してる時B面は逆行してるはずである
なので、同時進行の比喩と言うよりは、単純に一方が動いてる時、別の面も動いてるんですよということであろう。
今作は作中に当時のドラマの話や、カセットテープの件など、仕掛けを解く鍵の一部として登場するのだが、カセットテープと聞いてもピンと来ない若い世代には、本作を読み終え後書きにある解説を読んでも伝わり辛いかも知れない。
私自身、カセットテープまでは分かるがドラマ云々は全く知らなかったのでピンと来なかった。
ミステリ小説などでは、この時間の流れを時に無視したり、故意に入れ替えたりする手法が度々見受けられる。
時間軸を念頭に置いて読むと、違った景色が見えてくるものもあるかと思うが、あえて素直に
提供されたままに味わうというのも悪くない。
しかし、映像化不可能とされた今作が、如何に描かれているのか、原作小説を読んだからこそ浮かぶ疑問
松田翔太さんの演技、あの仕掛けをどの様な演出で乗り越えるのかなど、興味は尽きないので、いつか観てみたいと思う。
スッキリサッパリとはいかなかった今作
むしろドロドロとして、実はとてもリアルで
喜ばしい事象では無いかも知れないが、世間で散見される
そんな恋愛物語。
乾くるみさんの他作品も興味が出て来たので
いつか読むリスト入りとなった。